2019年に世界中で脅威となったコロナウィルスの蔓延から、日常的にマスクを着用する習慣が各地で定着しています。日本では、コロナの話題が落ち着いたと思いきや、インフルエンザの流行や花粉症など、なかなかマスクを手放して良いタイミングは訪れていません。
一時期、どこに行ってもマスクが購入できない事態にまで陥った中で、自分で布マスクを作り、一つのファッションアイテムとしてちょっとしたブームになることもありました。
マスクが私たちにとって身近なアイテムになった昨今ですが、世の中にはさまざまな種類のマスクがあります。特にウレタンマスク、不織布マスク、布マスクといった種類は、スーパーやコンビニなどの販売店でもよく見かけるマスクでしょう。
この記事を読んでいる方は、
- ウレタンマスクと不織布マスクの効果に違いはあるの?
- ウレタンマスクと不織布マスクそれぞれのメリットやデメリットは?
- 私の生活スタイルでは、ウレタンマスクと不織布マスクのどちらを使えば良い?
といった疑問や悩みをお持ちではないでしょうか。
この記事では、マスクの役割や期待できる効果、ウレタンマスクと不織布マスクの特徴や効果の違い、使用するうえでのメリットや注意点、それぞれを使う時の適切な場面やタイミングについて解説していきます。
今となっては、季節に関わらず、マスクを常備する人が増えてきました。だからこそ、ウレタンマスクと不織布マスクの特徴や効果をきちんと理解し、シーンに合わせて使い分けていけるようにしていきましょう。
そもそもマスクに予防効果はあるのか?
かつてコロナが世界中で猛威を奮っていた頃、日本に限らず世界中で巻き起こったのが「マスクに効果はあるのか論争」です。世界的な感染症が話題に挙がった途端、マスクの買い占め行動や高値での転売などが度々発生し、備えをしておきたい人々にマスクが行き渡らない事態になりました。
そんな中でどこからともなく、「そもそもウィルスの大きさはマスクを簡単に通り抜けられる大きさなのだから、マスクを着用したところで、ウィルスの感染は防ぐことができない」という理論が沸き上がり、マスクの持つ予防効果に疑問を持つ方が増えることに繋がったのです。
ここで押さえておくべき点は、「ウィルスは乾燥している状態の中、単体で浮遊しているわけではなく、くしゃみや咳などにより、唾液などの水分をまとった状態で飛沫として体外に出てくるため、飛沫としての大きさはウィルスそのものより大きくなる」という点。つまり、ウィルス単体が通り抜けられる穴でも、ウィルスが水分をまとった状態ならばマスクでブロックできる可能性があるということです。
偏った知識で極端な意見を持つのではなく、予防したいウィルス感染にはどのような感染ルートや特徴があるのか、そのうえで、マスクで予防できる範囲はどこまでなのか、他にどのような対策を打つことができるのかを、冷静に判断して健康を守っていきましょう。
参考元:感染症検査クリニック
マスクが持つ2つの役割
マスクには大きく2つの役割があります。
- 外から自分に対するウィルス感染を予防する役割
- 自分から他の人に対するウィルス感染を予防する役割
私たちがマスクを着用する時、「自分が病気にかからないために」という目的ばかりに焦点を当てがちですが、知らず知らずのうちに自分が感染してしまっている病気を、周囲の人たちに感染させてしまうことを防ぐのもマスクの役割です。
マスクが最も効果を発揮するのはいつ?
マスクが最も効果を発揮するとされているのは、「くしゃみや咳の症状がある人が着用した時」と言われています。つまり、マスクの最も効果的な使い道は、「うつらないこと」ではなく「うつさないこと」なのです。
風邪やインフルエンザにかかってしまった人は、1度の咳でおよそ10万、1度のくしゃみでおよそ200万におよぶウィルスを放出すると言われています。マスクは自分の身を守るためだけでなく、周りの人たちの健康を守ることにも役立つのです。
マスクの効果の良し悪しはどこで見る?
空気感染を予防するために、マスクを着用する人が多いため、一般的には「飛沫抑制効果」がマスクの効果を測る目安となります。飛沫抑制効果を見るためには、下記の2項目が大切です。
- 吸い込み飛沫量:マスク着用の状態で、どれだけの空気を吸い込めるか
- 吐き出し飛沫量:マスク着用の状態で、どれだけの空気を吐き出せるか
吸い込み飛沫量・吐き出し飛沫量のどちらも少なければ、それだけ外の空気をマスクでシャットアウトできているということなので、マスクの性能は高いと言われています。体感では「息が吸いにくい=性能が良い」と判断しても良いそうです。
参考元:クラシエ漢方
ウレタンマスクと不織布マスクの違い
ウレタンマスクと不織布マスクの違いは下記の通りです。
ウレタンマスク | 不織布マスク | |
素材 | ポリウレタン | ポリプロピレン |
吸い込み飛沫量 | 60~70% | 30% |
吐き出し飛沫量 | 50% | 20% |
通気性 | 高い | 低い |
伸縮性 | ある | ない |
デザイン性 | 高い | 低い |
敏感肌 | 〇 | △ |
具体的な違いについて、下記の7点を解説していきます。
- 素材の違い
- 吸い込み飛沫量の違い
- 吐き出し飛沫量の違い
- 通気性の違い
- 伸縮性の違い
- デザイン性の違い
- 敏感肌の違い
ウレタンマスクと不織布マスクの素材の違い
ウレタンマスクと不織布マスクの素材の違いは下記の通りです。
ウレタンマスク | 不織布マスク | |
素材 | ポリウレタン | ポリプロピレン |
ウレタンマスクにも種類がある
ウレタンマスクは、文字通りポリウレタンを素材としたマスクです。ポリウレタンは伸縮性に長けたプラスチック素材で、その性質から、通気性は高くなります。ウレタンマスクに分類されるマスクは、ポリウレタンの配分の違いによって2種類があります。
- ポリウレタン100%のウレタンマスク:通気性が高い代わりに、フィルター西濃は低め
- 合成繊維とポリウレタンを混ぜたウレタンマスク:フィルター性能はポリウレタン100%よりも高いが、マスク内の空気を吸いやすく、口元がへこみやすい
「不織布」という布があるわけではない
ポロプロピレンは、不織布マスクに用いられる最もポピュラーな素材ですが、そもそも、不織布とは「織らずに作った布」というジャンルでしかありません。
不織布マスクの中にも、ナイロン・アクリル・ポリエステルなどの化学繊維を素材にしているものから、コットンや羊毛などの天然素材を用いたものなど様々な種類があります。
ウレタンマスクと不織布マスクの吸い込み飛沫量の違い
ウレタンマスクと不織布マスクの吸い込み飛沫量の違いは下記の通りです。
ウレタンマスク | 不織布マスク | |
吸い込み飛沫量 | 60~70% | 30% |
吸い込み飛沫量とは、「マスク未着用時の吸い込みを100%とした時、マスクを着用した状態の吸い込みがどのぐらいの割合になるか」という数字です。
表を見ると、
- ウレタンマスク:マスク未着用時と比べて、60~70%の空気を吸い込むことができる
- 不織布マスク:マスク未着用時と比べて、30%の空気を吸い込むことができる
ということがわかります。外からの空気やウィルスの侵入に対して、ウレタンマスクは30~40%カット、不織布マスクは70%カットできる性能があるのです。
ウレタンマスクと不織布マスクの吐き出し飛沫量の違い
ウレタンマスクと不織布マスクの吐き出し飛沫量の違いは下記の通りです。
ウレタンマスク | 不織布マスク | |
吐き出し飛沫量 | 50% | 20% |
吐き出し飛沫量とは、「マスク未着用時の吐き出しを100%とした時、マスクを着用した状態の吐き出しがどのぐらいの割合になるか」という数字です。
表を見ると、
- ウレタンマスク:マスク未着用時と比べて、50%の空気を吐き出すことができる
- 不織布マスク:マスク未着用時と比べて、20%の空気を吐き出すことができる
ということがわかります。もし自分が風邪やインフルエンザにかかってしまった時、咳やくしゃみで自分の体から外に出てしまうウィルスなどを、ウレタンマスクは50%カット、不織布マスクは80%カットできる性能があるのです。
ウレタンマスクと不織布マスクの通気性の違い
ウレタンマスクと不織布マスクの通気性の違いは下記の通りです。
ウレタンマスク | 不織布マスク | |
通気性 | 高い | 低い |
前述の「吸い込み飛沫量」「吐き出し飛沫量」の違いから分かる通り、ウレタンマスクは通気性が高いため、着用しても息苦しさは少なく、不織布マスクは通気性が低いため、着用すると息苦しさを感じることがあります。
ウレタンマスクと不織布マスクの伸縮性の違い
ウレタンマスクと不織布マスクの伸縮性の違いは下記の通りです。
ウレタンマスク | 不織布マスク | |
伸縮性 | ある | ない |
ウレタンマスクの素材として用いられるポリウレタンは、ゴムのような伸縮性を持っています。一方で、不織布マスクは素材にもよりますが、使い捨てが前提であるため、伸縮性があるものは少ないです。
ウレタンマスクと不織布マスクのデザイン性の違い
ウレタンマスクと不織布マスクのデザイン性の違いは下記の通りです。
ウレタンマスク | 不織布マスク | |
デザイン性 | 高い | 低い |
ウレタンマスクは不織布マスクと比べてデザイン性が高く、着用時もスタイリッシュな印象を与えます。カラーも豊富なため、服装がカジュアルであれフォーマルであれ、ファッションアイテムとしての合わせやすさも魅力です。
ウレタンマスクと不織布マスクの敏感肌の違い
ウレタンマスクと不織布マスクの吸い込み敏感肌の違いは下記の通りです。
ウレタンマスク | 不織布マスク | |
敏感肌 | 〇 | △ |
アレルギーがあったり、肌がデリケートでかぶれやすい方にとっては、不織布マスクよりもウレタンマスクの方が使い勝手が良いでしょう。不織布マスクの多くは化学繊維を素材としていることと、ウレタンマスクよりも素材が固いため、肌とこすれて刺激を与えてしまうことで、肌のかぶれを引き起こしてしまう場合があります。
しかし、不織布マスクの素材にコットンなど、天然素材を用いているものもあるため、肌がデリケートな人たちに寄り添った不織布マスクも存在します。
ウレタンマスクと不織布マスクはどのような人におすすめか
ここまで、ウレタンマスクと不織布マスクの違いについて解説していきました。ここまで読んできた中で、「私はウレタンマスクと不織布マスクどちらを選べば良いの?」「ウレタンマスクと不織布マスクを使い分けるとしたら、どんなタイミングで使い分けたら良いの?」という疑問を持った人もいるでしょう。
ここからは、それぞれのメリットや使うタイミング、使う時の注意点などを確認しながら、ウレタンマスクと不織布マスクがどのような人におすすめなのか解説していきます。
ウレタンマスクの魅力や注意点を確認しよう
ここでは、ウレタンマスクのメリットや使うタイミング、注意点を確認し、着用をおすすめする人の特徴を解説します。
ウレタンマスクを使うメリット
不織布マスクに対して、ウレタンマスクを使うメリットは下記の通りです。
- 通気性が高い
- 繰り返し使用ができるため、経済的
- 速乾性がある
- 肌への刺激が少なく、アレルギーやかぶれなど、肌のトラブルになりにくい
ウレタンマスクを使う効果的なタイミング
ウレタンマスクの魅力として「通気性の高さ(息苦しさの少なさ)」が挙げられます。激しい運動をする時など、酸欠のおそれがある場面などに使いましょう。
また、マスクを着用することで体内に熱がこもりやすくなり、のどの渇きに気づきにくくなることで、脱水症状や熱中症のリスクが高まります。夏などの暑い季節や暑い場所へ行く際は、ウレタンマスクの持参がおすすめです。
- スポーツをする時
- アウトドアなど、汗をかく時
- 暑い場所に行く時
- 屋外での熱中症対策をしたい時
ウレタンマスクを使う時の注意点
ウレタンマスクは通気性の高さから、フィルターの性能は不織布マスクに対して控えめです。そのため、病院など、病気をうつされたり、うつしてしまったりする可能性が高い場所では、不織布マスクの着用を求められる場合があるので、注意しておきましょう。
- 飛沫抑制効果は低い
- 病院など、場所によっては不織布マスクに着けかえる必要がある
ウレタンマスクがおすすめな人
前述のポイントから、下記の特徴がある人は、ウレタンマスクをおすすめします。
- スポーツやジム通い、ランニングやアウトドアなど、運動を習慣にしている人
- 屋外での仕事など、日常的に脱水症状や熱中症のリスクがある人
- 肌が敏感で、アレルギーやかぶれを起こしやすい人
- マスクは使い捨てをするよりも、長く使いたい人
不織布マスクの魅力や注意点を確認しよう
ここでは、不織布マスクのメリットや使うタイミング、注意点を確認し、着用をおすすめする人の特徴を解説します。
不織布マスクを使うメリット
ウレタンマスクに対して、不織布マスクを使うメリットは下記の通りです。
- 飛沫抑制効果が高い
- 使い捨てのため、かさばらない
- 病院などでも着用したまま入ることができる
不織布マスクを使う効果的なタイミング
不織布マスクの魅力として「フィルター性能の高さ」が挙げられます。職場や趣味など、普段から過ごす場所で多くの人と接触する場面で使いましょう。
大人数が集まる場所では、病気をうつされる可能性ばかりではなく、自分が周りの人に病気をうつしてしまう可能性も高まります。普段ウレタンマスクを着用している人でも、人の多いところへ出かける際は、不織布マスクの持参がおすすめです。
- 満員電車での通勤通学の時
- 人の多い商業施設などに行く時
- 感染症患者の多い病院などに行く時
- 屋外で花粉症対策をしたい時
不織布マスクを使う時の注意点
不織布マスクはフィルター性能の高さから、ウレタンマスクに対して息苦しさを感じてしまうことがあります。また、素材が固く、肌に刺激を与えてしまう場合もあります。肌がデリケートな方は、不織布マスクでも天然素材由来のものを選びましょう。
- 息苦しいと感じることがある
- 使い捨てのため、コストがかかる
- 敏感肌など、かぶれやすい人は注意が必要
不織布マスクがおすすめな人
前述のポイントから、下記の特徴がある人は、不織布マスクをおすすめします。
- 電車通勤など、日常的に大人数かつ狭い空間で過ごす場面がある人
- 商業施設やイベント会場などに行く機会が多い人
- 出張など、行動範囲が広い人
- 病院など、感染症患者が集まる場所への出入りがある人
ウレタンマスクと不織布マスクの口コミやレビュー
ここまでは、ウレタンマスクと不織布マスクの特徴の違いについて焦点を当ててきました。ここではウレタンマスクと不織布マスクの口コミ・レビューをAmazonからの引用で紹介していきます。
ウレタンマスクの口コミやレビュー
ウレタンマスクはAmazonにて、2024年2月時点で1586件の口コミ・レビューがあり、星3.6の高評価を獲得しています。
種類が多いため、最も評価の多かった商品から、いくつかの口コミを引用して紹介します。
口コミ①:大きさも手頃お値段も手頃で通年使える
通年通して使わせて頂いています。
口コミ②:しっかり
近くの店にはもうウレタンは売ってなくてここで購入しました、硬さはしっかりしてて、ヨレヨレにもならないし着け心地もいいです匂いは気になるほどではないですが使う前に洗って着用しました。20回くらい洗って使ってますが破れる事なく今も使ってます。
口コミ③:通気性は抜群!
顔にも程よくフィットして通気性も抜群に良いので苦しくないです!息子も気に入ってます。耐久性はあまりないような感じですがネットに入れて洗濯しても破れないので意外と丈夫です。個別包装なので予備で持ち歩くにもGOODです!
引用:Amazon
ウレタンマスクの強みである通気性、フィット感に対する高い評価が多く寄せられていました。
不織布マスクの口コミやレビュー
不織布マスクはAmazonにて、2024年2月時点で3528件の口コミ・レビューがあり、星4.1の高評価を獲得しています。
種類が多いため、最も評価の多かった商品から、いくつかの口コミを引用して紹介します。
口コミ①:個包装で耳が痛くならない
取り出しやすく個包装でしっかりしています。
耳が痛くならないので助かっています。
鞄に入れておくと安心なので定期的に購入しています。口コミ②:使いやすい
まず個包装されていて衛生的だし、匂いがしない。もう、他のマスクは買えません。我が家は全員このマスクにしています
口コミ③:ずっとこのマスク使用中
最近はマスクをしない人も多く見かけられますが、まだまだ安心は出来ません。耳も痛くならず、着け心地は悪くありません。真夏のマスク生活は厳しいですが、風邪や喘息にもかからず、大変重宝しています。
引用:Amazon
不織布マスクの素材の固さや息苦しさ、耳への負荷を心配する人が多く、使い心地のソフトさを評価する声が多く寄せられていました。
偏った知識ではなく、それぞれのマスクの効果や特徴を正しく理解して、自分の生活スタイルに合ったマスクを選ぼう【まとめ】
この記事では、マスクの役割や期待できる効果、ウレタンマスクと不織布マスクの特徴や効果の違い、使用するうえでのメリットや注意点、それぞれを使う時の適切な場面やタイミングについて解説していきました。
ウレタンマスク、不織布マスクとで、マスクとしての効果に差があるのは事実ですが、それだけの情報で、一方がもう一方に対して配慮不足だと判断するべきではありません。それぞれのマスクに特徴があり、使うべき場面、使う人の体質やタイミングなども異なります。私たちがお互いに出来る範囲で、お互いの健康に寄り添うべく、マスクを活用していきましょう。
なお、このブログでは「ブラウンオーラルBのio10とio9の違いとは?」といった記事も用意しているので、ぜひ参考にしてみてください。
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